『English Plurals - Wikipedia』の日本語訳
English plurals - Wikipedia を和訳しました。原文の版は oldid=1137888933 です。
凡例
- リンクは、人物記へのリンクと See (also) と cf. を除き、ほとんど削除しました。
- 例外的に残したリンクにはマークを施しました。
- 要出典などは残しましたが、リンクは削除しました。
- 脚注は先頭に「原注」と附加しました。
- 訳注は
[
]
で括って示しました。先頭の「訳注」は無いこともあります。 - 目次と参考文献は省略しました。
語彙集
- 「declension」は「曲用」と訳しましたが、ギリシア語やラテン語などの文法用語として一般的な場合は「格変化」も用ゐました。
- 「mass noun」は、1箇所の例外を除いて、「不可算名詞」と訳しました。
- 類推から「mass」を「数へられない」と訳した箇所が1つあります。
- 「back-formation」は、手順は「逆成」と訳し、それによって生成されるものは「逆成の結果」と訳しました。
- 「woman」は、性(文法範疇)と区別しやすくするために、「婦人」と訳しました。
ライセンス
この記事は CC-BY-SA-3.0 と CC-BY-SA-4.0 のデュアルライセンスの下で利用可能です。ウィキメディア・プロジェクトへの移出については、下の補足もご確認下さい。
英語の複数形
英語の名詞は文法的数によって屈折する。つまり、可算なら、単数と複数とで異なる形式を持つのが一般的である。この記事は、英語の複数名詞を対応する単数形から形作る様々な方法や、英語における単数形と複数形の用法に関する種々の問題について議論する。代名詞の複数形については、英語の人称代名詞を見よ。
この記事で提供される音韻転写は容認発音と一般米語向けである。詳細は英語の音韻論を見よ。
意味
複数の日常的な意味は「1よりも多い」だが、この文法用語にはそれとは少し異なった専門的な意味がある。英語の文法的数の體系では、単数は「1(またはマイナス1)」を意味し、複数は「単数でない」を意味する。言ひ換へれば、複数は「1よりも多い」だけでなく「1よりも少ない」も意味する。このよりも少ないといふ側面は、
形式
規則的な複数形
英語の複数形態素は、多くの名詞の末尾に附く歯擦音である。英語の規則的な複数形は、単数形の終はりの音によって、3種類に分けられる:
歯擦音
英語には6つの歯擦子音がある。すなはち、
kiss | kisses | /ˈkɪsᵻz/ |
phase | phases | /ˈfeɪzᵻz/ |
dish | dishes | /ˈdɪʃᵻz/ |
massage | massages | /məˈsɑːʒᵻz/ または /ˈmæsɑːʒᵻz/ |
witch | witches | /ˈwɪtʃᵻz/ |
judge | judges | /ˈdʒʌdʒᵻz/ |
他の無声子音
ほとんどの英語変種には、語末で見られる歯擦でない無声子音が5つある。すなはち、
lap | laps | /læps/ |
cat | cats | /kæts/ |
clock | clocks | /klɒks/ |
cuff | cuffs | /kʌfs/ |
death | deaths | /dɛθs/ |
loch | lochs | /lɒxs/ または /lɒks/ |
たゞし、
他の有声音素
歯擦でない有声子音で終はる単数名詞については、複数形は /z/(有声歯擦音)を加へ、綴りは -s を附加する:
girl | girls | /ɡɜːrlz/ |
chair | chairs | /tʃɛərz/ |
英語では母音は全て有声である。母音で終はる名詞は、同様に、
boy | boys | /bɔɪz/ |
子音に先行される -o で終はる名詞の複数形
子音に先行される o で終はる単数名詞は、多くの場合、(/z/ と発音される)
hero | heroes | /ˈhɪɹoʊz/、 |
potato | potatoes | /pəˈteɪtoʊz/ または /pəˈteɪtəʊz/ |
volcano | volcanoes または volcanos | /vɑlˈkeɪnoʊz/、 |
たゞし、ほとんどのイタリア語借用語を含む、外来語に由来する多くの名詞は、単に -s を附加する:
canto | cantos |
hetero | heteros |
photo | photos |
zero | zeros(または zeroes) |
piano | pianos |
portico | porticos |
pro | pros |
quarto(紙の寸法) | quartos |
kimono | kimonos |
-y で終はる名詞の複数形
子音に先行される、有声の(つまり、母音として使はれてゐる)
cherry | cherries | /ˈt͡ʃɛɹiz/ |
lady | ladies | /ˈleɪdiz/ |
sky | skies | /skaɪz/ |
英語では、
colloquy | colloquies | /ˈkɒləkwiz/ |
obsequy | obsequies | /ˈɒbsəkwiz/ |
soliloquy | soliloquies | /səˈlɪləkwiz/ |
たゞし、このタイプの固有名詞(とくに人名)は、普通、単に -s を附け加へて複数形を形成する。例へば、
他の例外に lay-bys と stand-bys がある。
母音に先行される y で終はる単語は、
day | days | /ˈdeɪz/ |
monkey | monkeys | /ˈmʌŋkiz/ |
たゞし、
-i で終はる名詞の複数形
-i の形で書かれる名詞は通常 -is で終はる複数形を持つが、
alibi | alibis | /ˈæl.ə.baɪz/ |
bikini | bikinis | /bɪˈkiːniz/ |
Israeli | Israelis | /ɪzˈɹeɪliz/ |
chili または chilli | chilis、 |
/ˈt͡ʃɪliz/ |
alkali | alkalies | /ˈæl.kə.laɪz/ |
ほゞ規則的な複数形
古英語と中期英語では、無声摩擦音 /f/ と /θ/ は、有声語尾の前ではそれぞれ有声摩擦音 /v/ と /ð/ に変化した。一部の単語で、この有声化が現代英語の複数形に残ってゐる。/f/ が /v/ に変はる場合、その変化が正書法にも現れる。また、単数形が -e で終はってゐないなら、この場合[訳注 /f/ が /v/ に変はる場合]、サイレント e が附け加へられる。
bath | baths | /bɑːðz/、 |
mouth[1] | mouths | /maʊðz/ |
calf | calves | /kɑːvz/、 |
leaf | leaves | /liːvz/(トロント・メープルリーフスを除いて。) |
knife[1:1] | knives | /naɪvz/ |
life | lives | /laɪvz/ |
さらに、複数形で /s/ が有声化する単語が1つある:
house | houses[1:2] | /haʊzᵻz/ |
それでも、
moth | moths[2] |
proof | proofs |
一部は両方ある:
dwarf[3] | dwarfs/dwarves |
hoof | hoofs/hooves |
elf | elfs/elves |
roof | roofs[4] |
staff[5] | staffs/staves |
turf | turfs/turves(後者はまれ。) |
不規則な複数形
複数形を形成する、より規則的でない方法が他にも多数ある。大抵は古い形式の英語や外来借用語から派生してゐる。
単数と複数が同一の名詞
一部の名詞は、同一の単数と複数(ゼロ屈折)を持つ。これらの多くは動物名である:
- bison
- buffalo
(または buffaloes) - carp
- cod
- deer
(および moose や elk のやうなシカ科に属する全ての種) - fish
(または fishes) - kakapo
(およびその他のマオリ語由来の単語) - neat
- pike
- salmon
- sheep
- shrimp または shrimps
(イギリス英語) - squid
- trout
一般的な規則として、スポーツの文脈では、狩猟鳥獣その他の動物はしばしば、単数形で複数形に言及される。例へば、
同一の単数形と複数形を持つ他の名詞には、次のものが含まれる:
- craft
(「乗り物」を意味する。) aircraft、 watercraft、 spacecraft、 hovercraft を含む。(たゞし、技藝を意味する場合、複数形は規則的であり、 crafts となる。) - blues
(ブルーズ音楽スタイルの個々の曲を指す。例へば、 “play me a blues”、 “he sang three blues and a calypso”。) - cannon
(北アメリカとオーストラリアでは cannons の方が一般的だが、イギリスでは複数としても cannon の方が一般的。) - chassis
(綴りのみ同一。単数形は /(t)ʃæsi/ と発音されるが、複数形は /(t)ʃæsiz/ と発音される。) - counsel
(法律家といふ意味で。) - head
(複数形のものは動物の群れを指す。例へば、 “fifty head of cattle”。上の brace を参照せよ。) - iris
(通常は irises だが、 iris が複数の植物を指す複数形になることがある。醫学的な文脈では irides が使はれる。下のラテン語とギリシア語に由来する不規則な複数形の節を見よ。) - series、
species (およびその他の -ies で終はる単語で、ラテン語の第五格変化に由来するもの)(specie といふ単語は、 in specie といふ成句に含まれる、ラテン語の単数奪格形に由来するもので、金銭、硬貨[訳注 正金、本位貨幣。]のみを指す。複数形は無い。) - stone——14ポンドに等しい重さの単位として。(時折 stones となる。)
ネイティブ・アメリカンの人々の名称の多くは複数形で屈折しない:
- Cherokee
- Cree
- Comanche
- Delaware
- Hopi
- Iroquois
- Kiowa
- Navajo
- Ojibwa
- Sioux
- Zuni
例外には Algonquins、
英語では、地域の住民の名称または民族名の規則的な複数形(例へば、
日本語やマオリ語のやうな外国語から借用されたその他の単語のいくつかは、正しくは、複数形で屈折しないが、多くの人はこの規則に気付いてゐない。下のその他の言語に由来する不規則な複数形の節を見よ。
-(e)n で終はる複数形
少数の名詞の複数形は、単数形に -n または -en を附け加へることで形成される。これは古英語の弱変化に由来する。一般的には次の3語のみが見られる:
ox | oxen | (とくに輓獣の群れに言及する場合。非標準のアメリカ英語ではときどき oxes となる。) |
child | children | (唯一の可能な複数。古英語の複数である cildra/cildru に -en が附加した二重複数形として始まったもので、この古英語の複数は、アイルランドでは今でも時折り出くはす、 |
brother | brethren | (兄弟を意味する brother の複数としては古風だが、会衆や友愛組織の一員を意味する brother の複数としてはよく見られる。初期中期英語の brother に -en が附加した二重複数形に起源を持つ。) |
上述したやうに、
クラーケンウェルといふロンドンの小教区の名前には、興味深い例が埋め込まれてゐるのが見られる。その名前は、[その小教区に]聖ヨハネ騎士団のクラーケンウェル小修道院に縁のあるクラークスウェル[訳注 clerk は cleric との二重語であり、こゝでは、聖職者、あるいは教会の礼拝、とくに応唱を支援する平信徒(clerk - Wiktionary による。)を指す。]があったことに由来してゐる。
方言的な、まれな、あるいは古風な用法では、
bee | been | (方言的、アイルランド。) |
cow | kine | (古風または地域的。実際には、早期の複数 kye |
eye | eyen | (まれ。一部の地域方言で見られ、シェイクスピアによって使はれた。) |
shoe | shoon | (まれ、または方言的。) |
house | housen | (まれ、または方言的。『プークが丘の妖精パック』の中でラドヤード・キップリングによって使はれた。) |
hose | hosen | (まれ、または古風。欽定訳聖書で使はれた。) |
knee | kneen | (古風または廃語。) |
tree | treen | (古風または廃語。ウィリアム・ブラウンによって使はれた。) |
aurochs | aurochsen | (別の複数形 aurochs もある。) |
box といふ単語は、コンピューターを指す場合、ハッカーのサブカルチャーでは時折、ユーモアを交へて、
母音交替による複数形
複数形は、単数形の母音を単に変更することによって形成されることがある(これらの複数形は母音変異複数形と呼ばれることがある。):
foot | feet |
goose | geese |
louse | lice |
dormouse | dormice |
man | men |
mouse | mice(コンピューターのマウスは規則的な複数形 mouses を取ることもある[要出典]。) |
tooth | teeth |
woman | women /ˈwɪmᵻn/ |
このグループは、歴史的には古英語の子音曲用に属する単語で構成される。ゲルマン語のウムラウトの古英語の i 変異の節を見よ。
mongoose の複数形は mongooses か、たまに mongeese である。
種々の不規則な複数形
いくつかの単語には、こゝで与へられたどの種類のものにも合はない不規則な複数形がある。
- person—people
(より形式的な——法的な、あるいは専門的な——文脈では persons もある。people は、 peoples といふ複数形を持つ単数名詞となることもある。) - die—dice
(遊戯の文脈では、 dice は単数形としてもよく使はれる。また、半導體産業でも使はれる。その他の場合は dies が使はれる。) - penny—pence
(スターリング・ポンドの金額の文脈で。) 1p 硬貨や1セント硬貨は pennies と呼ばれる。 pence は p (会話では “pee”。)と省略される。 10 pences については下の主要部の無い名詞の節を見よ。
外国語に由来する不規則な複数形
ラテン語とギリシア語に由来する不規則な複数形
英語は、古典ラテン語と古代ギリシア語から非常に多くの単語を借用してゐる。古典ラテン語には、名詞、形容詞および代名詞に5つの分類または格変化(一部は副分類を含む。)がある、非常に複雑な語尾の體系がある。通常、ラテン語から単語を借用する場合、主格の語尾が使はれる。
古代ギリシア語には、[古典ラテン語と比較すると]よりシンプルだが、英語のそれよりはやはり複雑な體系がある。英語にある、ギリシア語からの借用語は、アッティカ方言(プラトン、アリストテレスその他の偉大な作家のアテナイのギリシア語)からのものであり、デモティキ、コイネー(聖書ギリシア語)および現代ギリシア語からのものではないことに注意すること。これは、アッティカ方言が西ヨーロッパの学級で教へられてゐたものであり、したがって、単語を借用する人が知ってゐるギリシア語だったからである。
英語化
借用語の一般的な傾向は、英語化あるいは帰化と呼ばれるもの、すなはち、通常の英語の単語としての、単語とその屈折の再形成に向かってゐる。多くの名詞は、元の形(通常はラテン語。)に落ち着いたり、元の形(同上)から現代的な形を獲得したりしてゐる。その他の名詞は英語化され、通常の語尾 -s を取るやうになった。場合によっては、両方の形式がまだ競合してゐることがある。
この形式の選択は文脈に依存することがよくある。例へば、人文系の学者にとっては、
[ラテン語由来の名詞について、]ラテン語の発音の活用が異なると、当該名詞の数や性に関する混乱を招くことがある。ラテン語の名詞は、科学的、醫学的および法的な文脈を含む英語で伝統的に使はれてゐるため、綴りに関しては古典的な屈折を維持するが、それらの屈折は英語化された発音を使ふ。例へば、[触角を扱ふ]昆蟲学者は、
これらの複数形の多くは -s で終はらないため、一部が単数形として再解釈されてゐる。とくに datum や medium
末尾の -a は -ae
alumna | alumnae |
antenna | antennae |
aurora | aurorae/auroras |
formula | formulae/formulas |
encyclopaedia(または encyclopædia)/encyclopedia | encyclopaedias/encyclopedias(encyclopaediae と encyclopediae はまれ。) |
larva | larvae |
pupa | pupae/pupas |
supernova を指す SN のやうな -a で終はるラテン語由来の単語を指す科学的な略語は、
末尾の -ex または -ix は -ices
index | indices | /ˈɪndᵻsiːz/ | または indexes |
matrix | matrices | /ˈmeɪtrᵻsiːz/ | |
vertex | vertices | /ˈvɜːrtᵻsiːz/ |
末尾の -is は -es
axis | axes | /ˈæksiːz/ |
genesis | geneses | /dʒɛn.ə.siːz/ |
nemesis | nemeses | /ˈnɛməsiːz/ |
crisis | crises | /ˈkraɪsiːz/ |
testis | testes | /ˈtɛstiːz/ |
thesis | theses | /ˈθiːsiːz/ |
parenthesis | parentheses | /pəˈrɛnθəsiːz/ |
clitoris | clitorises/clitorides | /ˈklɪtərɪsiz/ |
ギリシア語の polis[訳注 πόλις]から派生した語は除く。これらは poleis
acropolis | acropoleis | /æˈkropoliːs/ |
(これらのいくつかはラテン語ではなくギリシア語の単語だが、英語における複数形成の方法は同じ。) 一部の人々は、
末尾の -ies は変化せず、そのまゝにされる:
series | series |
species | species |
species の単数形の specie は非標準と見做されてゐる。
末尾の -um は -a になるか、あるいは単に -s を附加する:
addendum | addenda/addendums |
agendum(廃語。ほとんどの辞書で立項されてゐない。) | agenda は、「会議における議題の一覧」を意味し、 |
corrigendum | corrigenda |
curriculum | curricula/curriculums |
datum |
data(現在、通常は、会話體の用法でも教養ある用法でも、不可算名詞の単数形として扱はれるが、科学出版物における用法は、アメリカ英語とイギリス英語の強い分断を示してゐる。アメリカ英語の用法では、一般的に、本格的な学術出版を含む全ての文脈で、 工学、製図、測量もしくは測地学、または航空機の重量と平衡の計算では、 |
forum | fora/forums(fora はまれだが、1つよりも多くの、元来のローマのフォルムを指して使はれることがある。) |
medium | media(通信システムとデジタルコンピューターで。今日では単数の不可算名詞として扱はれることが多い。)、 |
memorandum | memoranda/memorandums |
millennium | millennia/millenniums |
ovum | ova |
referendum | referendums(国民投票を意味するものと取られることが多く、 |
spectrum | spectra(電気工学におけるパワースペクトルとして。) |
stadium | stadia/stadiums(後者の方が遥かに一般的。) |
stratum | strata |
末尾の -us は -i
alumnus | alumni |
cactus | cactuses/cacti(アリゾナ州では多くの人が単数と複数の両方として cactus を選ぶことを避けてゐる[要出典]。) |
campus | campuses(ラテン語化された複数形である campi は、とくに大学に関して、ときどき使はれるが、難色を示されることもある。対照的に、通常の複数形である campuses は普遍的に受け入れられる[要出典]。) |
corpus | corpora/corpuses |
census | censuses |
focus | foci/focuses |
fungus | fungi |
genus | genera |
hippopotamus | hippopotamuses/hippopotami |
octopus | octopuses(これはラテン語の第二格変化の名詞ではなく、ギリシア語の ὀκτώπους(oktṓpous、8本足)がラテン文字化された形式なので、厳密に言へば不稽だが、 |
platypus | platypuses(octopus と同じ。 |
prospectus | prospectuses(複数形の prospectus はまれだが、ラテン語では正しい。) |
radius | radii |
succubus | succubi(omnibus といふ単語は、形は似てゐるが、元は複数与格なので、複数化されて *omnibi になることはない。The Motor Bus を見よ。) |
stylus | styli/styluses |
syllabus | syllabi/syllabuses |
terminus | termini/terminuses |
uterus | uteri/uteruses |
viscus | viscera |
virus | viruses(-us で終はる単語の複数形の Virus の節を見よ。) |
末尾の -us は複数形で変化せず、そのまゝにされる(第四格変化——複数形は長い ū を持ち、単数形の短い u と区別される。):
meatus | meatus(たゞし、通常は meatuses。) |
status | status(たゞし、通常は statuses。) |
apparatus | apparatus(たゞし、通常は apparatuses。) |
第二格変化のユーモア交じりの方法に基づく口語的な用法には、複数のエルビスのものまねを指す Elvii
一部のギリシア語の複数形は英語でも維持されてゐる(ギリシア語由来の単語の複数形を参照。):
automaton | automata/automatons |
criterion | criteria/criterions(後者の形式はまれ。) |
phenomenon | phenomena/phenomenons(後者の形式は一般的だが、ときどき非難される。) |
polyhedron | polyhedra/polyhedrons |
末尾の -as が -antes に変化する場合が1つある:
Atlas | Atlantes(ティーターン像)に対して、 |
atlas | atlases(地図集) |
ギリシア語由来の名詞の末尾の -ma は、
stigma | stigmata/stigmas |
stoma | stomata/stomas |
schema | schemata/schemas |
dogma | dogmata/dogmas |
lemma | lemmata/lemmas |
magma | magmata/magmas |
anathema | anathemata/anathemas |
enema | enemata/enemas |
このやうな -ata で終はる複数形は、ギリシア語から借用されたラテン語の単語(例: poemata)にも見られる。
その他の言語に由来する不規則な複数形
一部のフランス語由来の名詞は -x を附加する。これは無音か、あるいは /z/ と発音されることがある:
beau | beaux または beaus |
bureau | bureaux または bureaus |
château | châteaux または châteaus |
milieu | milieux または milieus |
tableau | tableaux または tableaus |
下のフランス語の複合語の節も見よ。
イタリア語の名詞、とくに音楽と藝術の専門用語は、イタリア語の複数形を維持することがよくある:
cello | celli |
timpano | timpani |
外国語の用語は、とくに使用者がその言語のことをよく知ってゐる聴衆に話し掛けてゐる場合、その言語固有の複数形を取ることがある。このような場合、慣習的に形成された英語の複数形は、ぎこちなく聞こえたり、混乱を招いたりすることがある。
スラヴ諸語由来の名詞は、言語固有のルールに従って -a または -i を附加するか、あるいは単に -s を附加する:
kniazhestvo | kniazhestva / kniazhestvos |
kobzar | kobzari / kobzars |
oblast | oblasti / oblasts |
ヘブライ語由来の名詞は、言語固有のルールに従って -im または -ot
cherub | cherubim / cherubs |
seraph | seraphim / seraphs(ヘブライ語の単数形は saraph[訳注 שרף]。 |
matzah | matzot / matzahs |
kibbutz | kibbutzim / kibbutzes |
-ot は、アシュケナジ方言では(無声の s を用ゐて)
日本語由来の名詞の多くは複数形を持たず、変化しない:
bentō | bentō |
otaku | otaku |
samurai | samurai |
kimonos、
ニュージーランド英語では、マオリ語由来の名詞は -s の形を取るか、分離した複数形を持たないかである。マオリ文化により密接であり、その文脈で使用される単語は、同じ形式を取る傾向があるが、植物名や動物名は、文脈に依存して、
kiwi[6] | kiwi/kiwis |
kowhai | kowhai/kowhais |
Māori[7] | Māori/(時折 Māoris となる。) |
marae | marae |
tui | tuis/tui |
waka | waka |
カナダ、グリーンランドおよびアラスカのイヌイットによって話されるイヌクティトゥット語と関聯言語から借用した一部の単語は、元の複数形を維持してゐる。
Inuk(一般的ではない。) | Inuit |
inukshuk | inukshuit(まれ。) |
Iqalummiuq | Iqalummiut(イカルイトの住民) |
Nunavimmiuq | Nunavimmiut(ヌナビクの住民) |
Nunavummiuq | Nunavummiut(ヌナブトの住民) |
上のもの以外の言語に由来する名詞は、一般に、まるで生来の英語の単語であるかのやうに、複数形を形成する:
canoe | canoes | |
cwm | cwms | ウェールズ語の谷。ウェールズ語の複数形は cymoedd。 |
goulash | goulashes | gulyás のハンガリー語の複数形は gulyások。 |
igloo | igloos | ᐃᒡᓗ iglu のイヌクティトゥット語の複数形は ᐃᒡᓗᐃᑦ igluit。 |
kangaroo | kangaroos | |
kayak | kayaks | ᖃᔭᖅ qajaq のイヌクティトゥット語の複数形は ᖃᔭᐃᑦ qajait。 |
kindergarten | kindergartens | ドイツ語の複数形は Kindergärten。 |
ninja | ninja/ninjas | 日本語は複数形を持たない。 |
pizza | pizzas | イタリア語の複数形は pizze。 |
sauna | saunas | フィンランド語の複数形は saunat。 |
複合名詞の複数形
英語の複合名詞の大部分は、末尾に1つの基本的な項、あるいは主要部を持つ。これらの主要部は名詞であり、典型的な方法で複数化される:
able seaman | able seamen |
head banger | head bangers |
yellow-dog contract | yellow-dog contracts |
一部の複合語は、先頭に1つの主要部を持つ。これらの主要部も名詞である。通常、主要部は複数化され、2番目の(通常は後置形容詞の)項は変化せずに残る:
attorney general | attorneys general |
bill of attainder | bills of attainder |
coat-of-arms | coats-of-arms |
court martial | courts martial |
director general | directors general |
fee simple absolute | fees simple absolute |
governor-general | governors-general |
passerby | passersby |
poet laureate | poets laureate |
ship of the line | ships of the line |
son-in-law | sons-in-law |
minister-president | ministers-president |
chief of staff | chiefs of staff |
procurator fiscal | procurators fiscal |
砕けた言葉では、ほとんどの英語の名詞と同様に、[最初の単語の]代はりに最後の単語を複数化するのが一般的だが、教養ある人々に向けて編輯された散文では、通常、上で与へられた形式が好まれる。
複合語が2つの主要部を持つと考へられうる場合、最初の主要部が不規則な複数形を持つなら、両方の主要部が複数化される傾向がある[要出典]:
man-child | men-children |
manservant | menservants |
woman doctor | women doctors(もはや一般的ではない。) |
しかし、最初の主要部が標準的な複数形を持つやうな二重主要部の複合語は、最後の主要部だけが複数化する傾向がある:
city-state | city-states |
nurse-practitioner | nurse-practitioners |
scholar-poet | scholar-poets |
陸海軍の用法では、将官・将校の肩書きの一部としての general、
brigadier general | brigadier generals |
lieutenant commander | lieutenant commanders |
lieutenant colonel | lieutenant colonels |
major general | major generals |
不規則な複数形を持つ主要部を持つ、3語以上の複合語については、その項[訳注 主要部]だけが複数化される:
man-about-town | men-about-town |
man-of-war/man-o’-war | men-of-war/men-o’-war |
cat-o’-nine-tails | cats-o’-nine-tails |
woman of the street | women of the street |
先頭に主要部のある3語以上の他の多くの複合語——とくに、その複合語がその場限りの場合や、その主要部が隠喩的な場合。——については、一般に、最初または最後の主要な項を複数化することが受け入れられると見做されてゐる(単数のときにスペース区切りなら、このやうな複合語は、後者の[最後の主要な項を複数化する]場合、複数のときにハイフンを使ふ傾向がある。):
ham on rye | hams on rye/ham-on-ryes |
jack-in-the-box | jacks-in-the-box/jack-in-the-boxes |
jack-in-the-pulpit | jacks-in-the-pulpit/jack-in-the-pulpits |
少数の拡大解釈された複合語については、両方の項が複数化されることがある——さらに、別の選択肢があり、より普及してゐることがある(例: heads of state):
head of state | heads of states/heads of state |
son of a bitch | sons of bitches/sons-of-a-bitch |
一部の o を中心に構築される拡大解釈された複合語では、最後の項だけが複数化される(あるいは、最後の項がすでに複数なら、変化せずに残される。):
jack-o’-lantern | jack-o’-lanterns |
will-o’-the-wisp | will-o’-the-wisps |
下の主要部の無い名詞の節も見よ。
フランス語の複合語
英語の複合語の多くはフランス語から直接借用されてをり、これらの語は一般に、やゝ異なる一式の規則に従ふ。主要部としての名詞と記述形容詞からなるフランス語の借用語では、フランス語の慣習と同じやうに両方の単語を複数化するのが正しい。通常、フランス語では、名詞が形容詞に先行する:
agent provocateur | agents provocateurs |
entente cordiale | ententes cordiales |
fait accompli | faits accomplis |
idée fixe | idées fixes |
一部の表現では、形容詞が名詞に先行する。この場合も依然として、フランス語の慣習と同じやうに両方の単語を複数化するのが正しいが、英語の形式では名詞だけが複数化することがある:
beau geste | beaux gestes / beau gestes |
belle époque | belles époques / belle époques |
bon mot | bons mots / bon mots |
bon vivant | bons vivants / bon vivants |
たゞし、
bel homme | beaux hommes |
その他のフランス語の複合表現では、主要部の名詞だけが複数化される:
aide-de-camp | aides-de-camp |
coup d’état | coups d’état |
cri du cœur / cri du coeur | cris du cœur / cris du coeur |
cul-de-sac | culs-de-sac |
fleur-de-lis | fleurs-de-lis |
tour de force | tours de force |
たゞし:
tête-à-tête | tête-à-têtes | (フランス語では、複数形は単数形と同一。) |
文字と略語の複数形
個々の文字の複数形は通常、
一部の人々は、このアポストロフィの使用を、数字で書かれた数の複数形(例: 1990’s)や、用語として使はれてゐる単語の複数形(例: his writing uses a lot of but’s)のやうな、他のケースに拡張する。しかし、他の人々は、この方法(これは所有格の -’s との混乱を招くことがある。)を避け、
同様に、アクロニムとイニシャリズムは、普通は、
英語では、ラテン語や他のいくつかのヨーロッパ言語と同様に、いくつかの1文字の略語の複数形が、その文字を重ねることで形成されることがある。例へば、
たゞし、単数形で使はれる略語は、複数形の略語として使はれることもよくある。ほとんどの計量単位と通貨単位では、これが普通である。SI 単位記号は、
主要部の無い名詞
言語学者のスティーブン・ピンカーは、『言語を生み出す本能』で、
sabretooth | sabretooths |
still life | still lifes |
tenderfoot | tenderfoots |
Blackfoot は例外であり、その複数形は Blackfeet となることがある。たゞし、この名称はカナダのブラックフット先住民族によって公式に否定されてゐる。
別の類例として、マイアミ・マーリンズやトロント・メープルリーフスのやうなスポーツチーム名の事例がある。これについては、下のチームとそのメンバーの節を見よ。
缺如名詞
単数形の無い複数形
一部の名詞には単数形が無い。このやうな名詞は絶対複数と呼ばれてゐる。例として、
現代英語では、2つの部分を持つものを表すいくつかの特定の名詞が、絶対複数の主要なグループを成す:
- glasses(眼鏡)、
pants、 panties、 pantyhose、 pliers、 scissors、 shorts、 suspenders、 tongs(金属加工と料理)、 trousers 他。
これらの単語は、
2つの部分を持つものを表す名詞は、形容詞として使はれる場合、単数形で現れる。その他の絶対複数は、形容詞としても変化せず、そのまゝである。
a pair of spectacles | a spectacle grinder |
a pair of trousers | a trouser press |
clothes | a clothes line |
単数形は存在するものゝ、複数形と比べるとめったに出くはさないやうな複数名詞もいくつかある:
nuptial | nuptials |
phalanx[8] | phalanges |
tiding | tidings |
victual | victuals |
viscus | viscera |
複数形の無い単数形
質量名詞(または不可算名詞)は別々の対象物を表現しないため、単数の意味論と複数の意味論は、同じ方法では適用されない。いくつか例をあげる:
- 抽象名詞。
deceit、 information、 cunning、および honesty、 wisdom、 beauty、 intelligence、 poverty、 stupidity、 curiosity などの形容詞由来の名詞、および goodness、 freshness、 laziness などの -ness で終はる単語、および good、 bad(goodness と badness も使ふことがある。)、 hot、 cold などの似た意味の形容詞の同形同音異義語である名詞。 - 藝術と科学で。
chemistry、 geometry、 surgery、 the blues[9]、 jazz、 rock and roll、 impressionism、 surrealism。複数に見えるが、英語では文法上単数として機能するもの(例: “Mathematics is fun”、 “thermodynamics is the science of heat”)を含む。 mathematics(イギリス英語では短縮形の maths。)、 physics、 mechanics、 dynamics、 statics、 thermodynamics、 aerodynamics、 electronics、 hydrodynamics、 robotics、 acoustics、 optics、 computer graphics、 ethics、 linguistics 他。 - 元素および他の物理的実體。
aluminum(アメリカ英語)/ aluminium(イギリス英語)、 copper、 gold、 oxygen、 nitrogen、 carbon、 equipment、 furniture、 traffic、 air および water。
一部の不可算名詞は複数化することがあるが、この場合の意味は多少異なることがある。例へば、誰かゞ2粒の砂を持ってゐる場合は、その人は2つの砂ではなく砂[訳注 不可算。]を持ってゐることになる。しかし、「sands of Africa」には、[アフリカにある]多くの別々の砂の広がり、地質学者や建設業者にとっては興味深い別々の種類の砂、あるいは『火星の砂』のやうな単なる比喩といった多くのものがありうる。
furniture をこの方法で複数化するのは(かつてはより一般的だったが)まれであり、また、information は決して複数化されない。
酸素にはいくつかの同位體があり、それらは相異なる酸素として言及されることがある。カジュアルな会話では、
「ボブの知恵」は「ボブの知恵の一つ一つ」(すなはち、「はさみを持って走るな」、「より豐富な知識のある人に従へ」。)として、欺瞞は一連の欺瞞的な行動の具體例(所得税について嘘をついて、妻とデートした。)として、そして労働者の相異なる遊休は、遊休といふ数へられない概念の複数の別々の現れとして(あるいは、異なる種類の遊休——「全くの怠惰」と「すべき仕事が無い」——として)解釈されよう。
specie と species のペアはともに「種類または現物」を意味するラテン語の単語から来てゐるが、これは単数と複数のペアを形成するものではない。ラテン語では、
複数としての単数形と単数としての複数形
単数になる複数の単語
形式上は複数だが構造上は単数
元々は形式上複数だったいくつかの単語は、ほゞ例外なく単数形(通常は不可算。)として使はれるやうになった。例へば、
単数形になる複数形
一部の外国語由来の単語は、その(外国語形態論の)複数形としてよりよく知られてをり、英語話者には複数形があると認識されてゐさへしないことがよくある。記述的には、英語は、外国語の複数形を英語の単数形として帰化させたゝめ、英語の形態論では、これらの多くは複数形ではない。元の単数形の用法は、衒学的、過剰修正的、あるいは誤りだと見做されることがある。下の例においては、元の複数形は現在は一般的に単数形として使はれてをり、また、いくつかのケースでは、元の複数形から規則的な英語の複数(事実上の二重複数形。)が形成されてゐる。
元の単数形 |
元の複数形/ |
一般的な複数形 |
---|---|---|
agendum | agenda[10] | agendas |
alga | algae | algae |
biscotto | biscotti | biscotti |
candelabrum | candelabra | candelabras |
datum[11] | data | data(不可算名詞) |
graffito | graffiti | graffiti(不可算名詞) |
insigne | insignia | insignias |
opus[12] | opera | operas |
panino | panini | paninis(昨今、使用が増えつゝある。) |
paparazzo | paparazzi | paparazzi |
spaghetto | spaghetti | spaghetti(不可算名詞) |
talib | taliban | taliban(集合名詞) |
zucchino | zucchini(アメリカ英語) | zucchinis |
magazine はアラビア語からフランス語経由で派生した。元は複数だったが、フランス語と英語では常に単数と見做されてゐる。
複数形が単数形として使はれることがある他の単語には、次のものが含まれる:
criterion | criteria |
phenomenon | phenomena |
逆成
一部の単語は、単数形と複数形を一風変はったふうに形成するが、逆成によって、通常の単数複数ペアを[も]発達させてゐる。例へば、
kudos は、称賛を意味するギリシア語の単数の単語だが、複数形を取ることがよくある。しかし、現在のところは kudo は誤りと考へられてゐるが、
上腕の主要な屈筋を指すラテン語由来の用語は the biceps muscle
sastrugi
単数として使はれる地理的な複数形
地名は、国家のやうな単一の実體を表現すると見做される場合、仮令形式上は複数であっても、単数として扱はれることがある。例へば、
複数として扱はれる集合的な意味を持つ単数形
army、
したがって、H・W・ファウラーが述べるやうに、イギリス英語では、それらは、裁量で、単数または複数として扱はれる。ファウラーは、裁量的な複数によって、時折り繊細な区別が可能になるといふことを次のやうに指摘してゐる。思考の順序として、全體は分割よりも先に無ければならないため、The Cabinet is divided の方が良く、合意には2人以上を必要とするため、The Cabinet are agreed の方が良い。
数の複数形
次の諸規則は、
- 数によって修飾される場合、複数形は屈折しない、すなはち、
-s を附加しない。したがって、 one hundred、 two million、 four score などゝなる。(結果として生ずる量的表現は、名詞を直接修飾できるといふ点で、数として扱はれる。例へば、 three dozen eggs。しかし、代名詞または定名詞句の前では of が使はれる。例へば、 three dozen of them/of those eggs。) - 数によって修飾されない場合、複数形は通常、
-s の形を取り、結果として生ずる表現は数ではない(名詞を修飾する場合、 of を要する。)。 I have hundreds、 dozens of complaints、 the thousands of people affected。 - その修飾語が比較的曖昧な数の表現である場合、どちらのパターンに従ふこともある。
several hundred (people) または several hundreds (of people)。 - ある単語が単なる数量の表現ではなく、特定の意味を持つ場合、その単語は、通常の名詞のやうに複数化される。
Last season he scored eight hundreds(= scores of at least 100 runs in cricket)。その他の数にも同じ規則が適用される。 My phone number consists of three fives and four sixes。 - by the dozen など(単数)、
in threes(= in groups of three)など(複数)、 eight sevens are fifty-six などゝいった表現に注意せよ。
用法と数の一致
属性的に使はれる名詞
一般に、他の名詞を修飾するために属性的に使はれる名詞は、例へば、
属性的に使はれる可算名詞が、英語と異なり、複数であり、単語の最後に来るやうな他言語からの借用語の単数形と複数形は、英語の用法に入るときに変化することがある。例へば、スペイン語では、動詞とその複数形の目的語から構成される名詞は、通常、最初に動詞を、最後に目的語の名詞を持ち(例: 伝説上の怪物チュパカブラは、逐語的には「sucks-goats」であり、より自然な英語の形では「goatsucker」である。)、その目的語名詞の複数形は、複合語の単数形と複数形の両方で維持される(単数は el chupacabras、複数は los chupacabras。)。しかし、英語に入ると、
チームとそのメンバー
スポーツチーム名では、通常の使用ではその名詞には不規則な複数形があるにもかゝはらず、ある名詞に -s の形の規則的な複数形が与へられることがある。(上で述べられた主要部の無い名詞の具體的な事例。) 例へば、
スポーツチーム名が複数の場合、そのチームのメンバーを示すために対応する単数形が使はれることがよくある。例へば、シンシナティ・レッズのプレイヤーは a (Cincinnati) Red と呼ばれることがある。楽曲の『セントルイス・ブルース』から名付けられ、
ボストン・レッドソックスに見られるやうに、チーム名が形式上は複数だが、
マイアミ・ヒートやコロラド・アバランチのやうに、チーム名が単数の場合、プレイヤーを示すために、同じ単数の単語が使はれることもある。(a Heat、
チームが単数の名前を持つとしても、(とくにイギリス英語では)複数として取り扱ふことについては、上の複数として扱はれる集合的な意味を持つ単数形の節を見よ。
集合的複数形としての形容詞
いくつかの形容詞は、指定された種類の人々を示す複数形として使はれ、屈折しないことがある。例へば、
これは特定の国民によく見られる。すなはち、
とは言へ、特定の人々の組(five Frenchmen、
数的な数量
一般的な用語では、複数は単に「1よりも多い」を意味する。1の数量が文法的に複数に屈折することもときどきある。
実数は常に複数
実数精度を含む数量は全て複数である。任意個数の0に後続される1を含む。具體的には、
分数
分数は、分子に依存して、単数または複数になり(例: one eighth 対 two eighths)、また、分数が適用されるものは何でも、単一の物體の分数に言及するか、複数の物體の分数に言及するかに依存して、単数になることも複数になることもある(例: three-quarters of the apple(s))。
0に等しいものは通常は複数
数量0は全て、複数になることも単数になることもあるが、複数形が規定である。よって、次のやうな複数形が標準となる。
- We have no bananas.
- We have zero bananas.
- We don’t have any bananas.
しかし、1つの物體が問題になってゐるといふことがすでに立證されてゐる場合、no を使って、そのやうな物體が存在することを単数形で否定することがある:
- “Can you pass me the banana on your desk?” “There’s no banana on my desk.”
疑問代名詞
疑問代名詞の who と what は一般に、単数一致を取る。例:
- Who works there?
いくつかのケースでは、回答が複数であることが期待される場合、複数の動詞が使はれることがある:
- What have big ears and trunks?
複数の述語補部に後続される場合、複数の動詞が使はれる:
- What are the main reasons?
であって、
- *What is the main reasons?
ではない。
which に後続する場合、単数の動詞は単数の回答を示唆し、複数の動詞は複数の回答を示唆する:
- Which of these answers is correct?(単数選択)
- Which of these answers are correct?(複数選択)
How many? と尋ねるときは、期待される回答が1つだけであっても、複数が標準的である(例: How many bananas? であって、
関聯項目
補遺
transl.
transl. - Wiktionary によれば、
通貨単位
通貨単位は、その性質上、内名の複数形で用ゐられることが少なくない:
colón | colones | スペイン語から。 |
krona | kronor |
スウェーデン語から。 |
króna | krónur |
アイスランド語とフェロー語から。 |
krone | kroner |
ノルウェー語とデンマーク語から。 |
lek | lekë | アルバニア語から。 |
loti | maloti | ソト語から。 |
paisa | paise | ヒンディーから。 |
real | reais | ポルトガル語から。 |
たゞし、とくに文章では、ISO 4217 通貨コード(例: CRC、
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なほ、私がこの翻訳をウィキペディアに投稿しなかった理由は次の通りです:
- 英語の複数形は、既存の別の記事(複数、英語の文法など)ですでに説明されてゐる。
- かういふ場合、既存の項目を発展させるべきだと考へてゐます。
- これらの記事には独自の記述もあります。例へば、個数の絶対値が1未満であっても単数形が文法的な場合があるといふことは、English plurals からは読み取れません。
- English plurals の内容は、英語話者にとっては百科事典的だが、さうでない人にとっては教科書的なものに見える。
原注 カナディアン・レイジングを伴ふアクセントでは、有声子音の変異によって、先行する二重母音の音(/aʊ/ または /aɪ/)に変化が生ずることがある。[訳注 通常、カナディアン・レイジングによって変化するのは無声子音の前の二重母音である。] ↩︎ ↩︎ ↩︎
原注 有声化した /mɒðz/ はまれだが、ニューイングランドとカナダでは現れる[要出典]。 ↩︎
原注 dwarf について、その複数形の一般的な形式は、J・R・R・トールキンが dwarves を普及させるまでは、例へば、ウォルト・ディズニーの『白雪姫』に見られるやうに、
dwarfs だった。彼[トールキン]は、自身の小説に登場する空想上の種族「ドワーフ」をおとぎ話で一般的なよりキュートでシンプルな存在と区別するために、変更された綴りを意図的に使ったが、その後、この用法が広まった。たゞし、天文学的な矮星と非神話的な背の低い人類は dwarfs のまゝである。 ↩︎ 原注 hooves と韻を踏むやうに /ɹuːvz/ と発音されることは一般的だが、
rooves は古風で珍しい綴り。 ↩︎ 原注 「従業員全體」といふ意味の staff
(/stæf/ または /stɑːf/)については、その複数形は常に staff となる。その他の場合、 flagstaffs のやうな複合語を除いて、 staffs と staves の両方が許容される。 staves は、「魔法の杖」や記譜ツールを意味する場合を除き、北アメリカではまれである。樽の胴板を意味する stave は、その複数形である staves からの逆成の結果である。(上の逆成の節を見よ。) ↩︎ 原注 鳥を指す場合、
kiwi は -s の形を取ることも取らないこともある。ニュージーランド人を指す会話體の用語として使はれる場合、常に -s の形を取る。 ↩︎ 原注 Māori は、人を指す場合、大抵 -s の形を取らない。多くの話者は Māori を名詞として使ふことを避け、代はりに形容詞としてのみ使ふ。 ↩︎
原注 醫学用語では、
phalanx は指または趾の骨である。軍事的な phalanx は phalanxes と複数化される。 ↩︎ 原注 全體としての音楽スタイルを指す。 ↩︎
原注 an agenda は、議題の一覧を意味するために使はれる。 ↩︎
原注 1個の data は a data point と呼ばれることがある。工学、製図、測量もしくは測地学、または航空機の重量と平衡の計算では、
datum(複数は datums または data。)は、測定が行はれる物體の基準点、基準面もしくは基準軸、または測定が行はれる地球の表面である。 ↩︎ 原注 magnum opus[といふ表現]の中に残ってをり、また、同じ作曲家による音楽作品を體系的に命名するための作品番号システムのために維持されてゐる。 ↩︎